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2003年度活動報告
2004/07/21 古宮聰
概要

 共用ビームラインの民間利用が117課題/55社(民間が実験責任者の課題)で、課題数は前年度並、企業数は増加している。 前年は、産業利用ビームラインの本格利用で課題数が急増したが、 それ以降のビームタイムの増加は難しく、課題数も頭打ちとなっている。 今年度のトピックスは、トライアルユースを実施したことにある。実施課題は、ビームタイムの制限から38課題である。 新規利用開拓の第一の目的を充分果たし、さらに多くの課題で有益な結果を得ている。 年度計画として実施できたことが有効であった。(課題数などの統計的数値は2003A、2003B期の値である。)

結果
<産業利用ビームライン>
(1) 定常運用

三箇所の実験ハッチ、5手法が定常的に運用
- XAFS、蛍光X線分析、粉末X線回折、多軸X線回折、イメージング -
イメージング:トライアルユースでX線ズーミング管を設置し、数ミクロン高空間分解能撮像が可能となった。 (時間分解優先の課題は従来のCCDカメラで対応)

(2) 産業利用分科会留保枠など運用システムの確立

4回/年の募集と産業利用重視の審査が円滑に実施され、運用システムが確立した。

<利用成果>
(1) 実施課題

117件(実験責任者が民間の課題、学官産は含まず)、9.9%(全課題に占める割合) 内)産業利用ビームライン69件、内)成果占有19件

(2) 外部発表他

論文:4件(BL19B2利用業務へ登録済み分、補足不充分)
ポスター賞:ディスプレイ国際ワークショップ(The Tenth International Display Workshops)でOutstanding Poster Paper Award を受賞。
”Site Detection of Doped Gs Ions in SrIn2O4:Pr3+ Crystal by EXAFS” by T.Honma, I.Hirosawa, K.Ueda, S.Abe and H.Yamamoto.

(3) 共同研究

・三菱マテリアル:被膜の応力測定技術の開発、2001〜2003年度(完了)
・半導体先端テクノロジーズ(SELETE):ゲート絶縁膜界面の解析、2003年度完了
・豊田中央研究所:金属担持触媒のX線小角散乱技術開発、2003年度完了
・ひょうご科学技術協会:ナノ粒子コンポジット材料の基盤開発、
兵庫県地域結集型共同研究事業としてひょうご科学技術協会がJSTから受託、2003年度〜2007年度


活動実績
<講習会研修会>
(1) 講習会:2回、参加総数74名(民間20名、学官54名)
(2) ワークショップ:3回、参加総数70名(民間49名、学官21名)
(3) 研修会:4回、参加総数90名(民間61名、学官29名)

<産業利用ビームライン運用>

69課題実施、内)成果占有5課題、採択率:0.48
定常的な運用に入り、全体に比べて低い採択率にもかかわらず、応募が減退しないことから、利用者の満足度も高いものと思われる。

<コンサルティング>

4名のコーディネータからなる利用支援室を設け、産業利用を中心に利用促進のための支援活動を行っている。 講演、企業訪問、見学者対応などの啓蒙活動が 100数10回を超え、メールによる相談は、述べで数100回を越える。 最近では、メールなど相手方からの問合せが日常的になってきている。なお、大学等学術機関所属者からの問合せも1割程度ある。

トライアルユース
<提案及び実施結果>

38課題実施(内)民間:23、学官:15)、採択率:0.53
(応募が多く、トライアルユースの趣旨にそわない申請も少なからず含まれており、低い採択率となった。 しかしながら、トライアルユースで不採択となった課題も、産業利用分科会で通常の一般課題と一緒に審議された。)

<参加機関及び人員>
(1) 参加規模

・申請:99名/31社、141名/28機関(内 44名/JASRI)
・利用実験参加:76名/22社、100名/22機関(内 4名/JASRI)

(2) 新規参加企業

・新規参加企業:16社
(同一企業の新規部署を含む:18社)
・新規分野:13

企業の新規参加が約半分、新規分野が約1/3を占め、当該施策の趣旨にそって実施された。 潜在ニーズおよび潜在ユーザがまだまだ多いことを意味している。さらに、新規ユーザや新規分野の課題も含め、 多くの課題で成果や次への手掛りを得ており、試験的利用を越えた内容も生まれている。 これも、年度計画および重点分野の設定で充分な準備が出来たことが大きいと考えている。

今後の課題

産業応用の拡大、進展に伴い、昨年浮上した課題がほとんどそのまま残っている。

<急速なニーズ増加への対応>

産業利用ビームラインの申請状況は引続き活発で、採択率は今年度も48%(2002年度51%)である。 また、新規分野、新規利用企業もトライアルユースの効果もあり、定常的に2-3割含まれる。 必然的に各利用者の利用機会の減少、不採択は避けられず、せっかく盛り上がりかけた産業利用機運を損なう恐れがある。 コーディネータグループの努力を越える課題である。

<事業成果を目指して>

これまでの研究中心から事業への直接寄与を目指した利用が、いよいよ顕在化してきた。 事業に直結する利用形態として共同研究や受託研究、分析サービスなどの要望が顕在化しているが、 現状の公募制中心の制度や組織では対応できない。なお、これらの利用は産業利用に顕著な要望である。

スタッフ
 2002年度とほぼ同等(他のビームライン担当が主務である兼任者を含む)

・産業応用・利用支援Tグループ:コーディネータ2名、研究・技術スタッフ8名
(産業利用グループ主務:5名+業務協力員1名)
・産業応用・利用支援Uグループ:コーディネータ1名、研究・技術スタッフ2名
・産業利用グループ(事務局) :2名