13:15〜 13:45 |
リチウム電池や燃料電池に関わるエネルギー変換材料と散乱法 −SPring-8への期待−
菅野 了次(東京工業大学) |
リチウム電池、燃料電池材料についての現状を概観し、結晶構造の決定や、電子構造の決定が
特性の向上に大きく寄与し、より特性の優れた材料設計を行う場合に無くてはならない手法-散乱法-に
ついて述べる。特に、材料の構造には局所構造から長周期に至る様々なレベルが存在し、いずれの
構造が特性と相関を持つかを見分けることが重要であることを示す。また、このエネルギー変換材料
の開発に対して重要な貢献がなされるべく、SPring-8に対して期待する。 |
13:45〜 14:15 |
固体電解質型燃料電池電解質材料の局所構造解析
出口 博史(関西電力株式会社) |
放射光の普及に伴って、X線吸収微細構造解析(XAFS)は様々な分野で利用される
ようになってきた。本講演では、XAFSの原理、特長、測定方法、ならびに関西電力株式会社が
固体電解質型燃料電池材料の研究に適用した例を紹介する。 |
14:15〜 14:45 |
シンクロトロン光を利用した固体酸化物形燃料電池の残留応力測定
矢加部 久孝(東京ガス株式会社) |
我々のグループではシンクロトロン光を利用して燃料極支持型の固体酸化物形燃料電池材料の
応力測定を行っている。ここでは電解質の部分に着目して、共焼結後のセル、カソード印刷後のセル、
そしてスタックに組みこんだ状態でのセルの電解質部分の残留応力を測定した例について紹介する。
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14:45〜 15:00 |
(コーヒーブレイク) |
15:00〜 15:30 |
MgH2中の水素の状態解析
則竹 達夫(株式会社豊田中央研究所) |
放射光は水素吸蔵材料についての精密な粉末X線回折やin-situ測定に利用され、
これまで困難とされてきた金属水素化物中の水素の構造・状態解析も可能になってきている。
ここではMgH2を例として、リートベルト法による水素原子位置の決定、最大エントロピー法に
よる電荷分布解析について紹介する。 |
15:30〜 16:00 |
非対称反射結晶を用いた顕微鏡システムによる電池材料評価
小林 憲司(日本電気株式会社) |
我々のグループはSPring-8兵庫県ビームラインにおいて非対称反射結晶を用いた
顕微鏡システムの開発を行ってきた。現在のところ拡大率〜300、空間分解能〜0.2 umを
確認している。この顕微鏡システムとこれを用いた電気二重層コンデンサー或いは
Liイオン電池材料への適用例について紹介する。 |
16:00〜 16:30 |
マイクロXAFS法によるLi2次電池正極材料の解析
妹尾 与志木(株式会社豊田中央研究所) |
LiNi0.8Co0.2O2系2次電池の充放電サイクルによる容量低下のひとつの
大きな要因は正極活物質LiNi0.8Co0.2O2の変質である。本解析では放射光で
得られる2μm径のX線マイクロビームを用い、LiNi0.8Co0.2O2活物質粒子の局部に
おけるXAFS実験を通じて正極変質の不均一性を探った。 |
16:30〜 16:40 |
SPring-8の最近の状況
古宮 聰 (財団法人高輝度光科学研究センター) |
大型放射光施設SPring-8では共同利用施設であり、成果を公開すれば無料で
利用できる。現在、活発な産業利用支援を行っており、多数の成果が出ている。
産業利用に関する最近の状況、および利用手続について述べる。
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