13:30〜 14:30 |
高強度繊維開発に向けての放射光利用の期待
鞠谷雄士(東京工業大学) |
ポリエステルやナイロンは衣類を始め各種産業資材用繊維として利用されているが,
それらの強度は理論強度のたかだか5%程度にしか過ぎない。高強度化は分子量制御,
溶融構造制御,延伸・熱処理制御等により達成可能と考えている。これらを総合的に評価・
解析する手段としての放射光利用について,高強度化プロセスと併せて紹介する。 |
14:30〜 15:00 |
SPring-8における紡糸過程のオンラインX線散乱実験
村瀬浩貴(東洋紡総合研究所) |
繊維の紡糸過程で形成される構造は、繊維の力学強度などの物性と密接に関係している。
従って、紡糸過程の構造像形成をin-situ(その場)で観測し、その形成メカニズムを明らかに
することは極めて重要である。そこで、我々はSPring-8の実験ハッチ内で紡糸実験が可能な小型
紡糸機を自作し、紡糸過程での広角X線回折、小角X線散乱の測定を実施した。本講演では
実際にSPring-8で紡糸実験を行うにあたっての苦労点などを中心にご報告する。 |
15:00〜 15:15 |
(コーヒーブレイク) |
15:15〜 15:45 |
放射光を用いた水和凝固型防水材(ポリマーセメント)における硬化反応の追跡
田村久幸(大関化学研究所) |
ポリマーエマルションとセメントを混合させたポリマーセメントは,建築・土木分野において広く
使用されている。エマルション中の水分によりセメントは水和反応を起こし,硬化・造膜する。
この反応速度に依存して,生成されるセメント結晶はもとより,得られる最終物性も大きな影響を受ける。
セメントの硬化反応のメカニズムを解明するため,放射光を用いた硬化反応のその場観察を行った事例に
関して紹介する。 |
15:45〜 16:15 |
SPring-8トライアルユースに参加して-高分子材料への適用
佐藤和彦(帝人) |
放射光の高輝度,マイクロビームといった特徴を利用することにより,
実験室では測定困難な試料について迅速かつ高精度の構造評価が可能となる。
今回,トライアルユースにおいて得られた高分子フィルム・繊維のX線回折データについて,
実験室装置に対する放射光測定の優位性について紹介する。 |
16:15〜 16:30 |
高分子研究分野へのSPring-8利用
小寺 賢(JASRI) |
高分子研究分野へのSPring-8利用に関し、2001年12月に発足したSPring-8利用者懇談会
「高分子科学研究会」の活動について報告し、その他、SPring-8にて行われた実験などについて、
「放射光と高分子」をキーワードに報告する。
|
16:30〜 16:45 |
総合討論 |