13:00〜 13:30 |
LSI開発の現状と今後の課題
小椋 厚志(NEC シリコンシステム研究所) |
現在は、従来の単純なデバイスサイズの縮小に代えて、
新材料の積極的な導入によりLSI性能の向上を果たすポストスケーリングの時代に入ったと言われている。
トランジスタ周辺ではhigh-k絶縁膜,メタルゲートやNiシリサイド等、配線ではCuとlow-k絶縁膜、
さらにSOIや歪Si等の新構造基板等、近未来に導入が期待されている新材料や新デバイス構造を紹介し、
高度評価技術への期待を述べる。 |
13:30〜 14:00 |
放射光を用いたX線反射率法によるナノ構造解析−測定・解析法の基礎と応用
桜井 健次(独立行政法人物質材料研究機構) |
X線反射率法は、非破壊に薄膜・多層膜の深さ方向の内部構造を簡便に与える実用的な技術である。
放射光を用いると、波長可変で平行性も高く強度も十分なビームが得られるため、高度な応用が可能であり、
特に、埋もれたナノ構造の解析に威力を発揮する。本講演では手法の原理とともに最近の応用例を紹介する。 |
14:00〜 14:30 |
放射光X線回折による強誘電体キャパシタ構造の評価
木村 滋(財団法人高輝度光科学研究センター) |
強誘電体Pb(Zr,Ti)O3(PZT)薄膜の疲労機構を探るためにSPring-8で行なったX線回折測定について述べる。
高輝度なアンジュレータ光を利用することにより、狭いキャパシタ領域だけからの回折を測定することができるため、
疲労に伴う回折の変化を捉えることが可能となった。 |
14:30〜 14:45 |
(コーヒーブレイク) |
14:45〜 15:15 |
X線マイクロビームの材料評価への応用
平井 康晴(株式会社日立製作所 基礎研究所) |
SPring-8のBL16XU(サンビームID)で開発されたX線マイクロビーム形成評価装置を使用し,
X線回折法あるいは蛍光X線分析法を用いて半導体デバイスのCu配線結晶性評価
(ウエハー上での均一性,配線部分の結晶性,他)等を行った結果を紹介する。 |
15:15〜 15:45 |
蛍光X線およびXAFSによる高誘電体薄膜評価
竹村 モモ子(株式会社東芝 研究開発センター) |
放射光蛍光X線およびXAFSの高誘電体薄膜評価への応用について紹介する。
厚さ数nmのHfシリケート薄膜のHfや酸素を波長分散型蛍光X線装置で良好な精度で定量できることを実証した。
また全電子収量法XAFSによりHfシリケート膜の熱処理による構造変化を評価した。 |
15:45〜 16:15 |
反射X線小角散乱法による薄膜中のナノ粒子・空孔サイズ評価
表 和彦(理学電機株式会社) |
ナノメータスケールの微細な粒子や空孔の大きさやその分布を測定する上で,
X線小角散乱法は極めて有効である.一方,近年そのような粒子・空孔を持つ薄膜材料が数多く創られている.
そのような薄膜に対して,通常の小角X線散乱法を適用しようとした場合,試料が薄く,散乱強度が十分にとれない,
あるいはX線が基板を透過しないといった問題点が生じる.そこで,本講演では,
薄膜内の密度揺らぎの構造を非破壊で簡単に測定できる反射配置におけるX線小角散乱法について,
多孔質層間絶縁膜における空孔サイズ評価等の応用例とともに紹介する. |
16:15〜 16:45 |
軟X線光電子分光によるゲート絶縁膜評価
小林 啓介(財団法人高輝度光科学研究センター) |
高エネルギ−の第3世代放射光施設であるSPring-8では、
その特性を生かして200eVから1.5keVの範囲で分解能の十分に高い光電子分光を非常に高いスループットで行える。
1keV近くの高いエネルギー領域では光電子の脱出深さが1nm-3nm程度と大きくなるので、
表面状態の影響が少ないバルク敏感な測定が可能となる。この特長を生かして、
ナノ薄膜構造の非破壊深さ方向分析や界面反応などを調べることが出来る。
例としてSi-ULSIにおけるCMOSゲ−ト絶縁膜としてのSiO2、SiOn及びhigh-k材料についての結果を中心に紹介する。 |
16:45〜 16:55 |
SPring-8の最近の状況
古宮 聰(財団法人高輝度光科学研究センター) |
大型放射光施設SPring-8では共同利用施設であり、成果を公開すれば無料で利用できる。
現在、活発な産業利用支援を行っており、多数の成果が出ている。産業利用に関する最近の状況、
および利用手続について述べる。 |