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SPring-8講習会 「高輝度放射光を利用した光電子分光技術」

            −入門から応用例まで−


概要

SPring-8は、BL47XUとBL46XUの2本のアンジュレーター光源による共用ビームラインにおいて 硬X線光電子分光実験の実施が可能な実験ステーションが設置され、それぞれ電子状態分析が行われています。 また、BL25SUとBL27SUの2本の軟X線共用ビームラインにおいて軟X線分光実験が精力的に実施され、優れた 成果を数多く生み出しております。本講習会では、光電子分光法の基礎から応用まで研究実施例を交えて 紹介することで理解を深めて頂き、ひいては新たなユーザー利用あるいは新分野への展開に繋がることを 期待しております。

日時

2009年3月4日(水)13:00〜17:15(技術交流会:17:30〜19:00)

会場

メルパルク大阪 4階 ソレイユ

所在地  :大阪市淀川区宮原4-2-1
JR新大阪駅西口を右折し、歩道橋を渡り直進し右側(徒歩8分)
アクセスマップ:http://www.mielparque.jp/osk/access.htm

主催

(財)高輝度光科学研究センター(JASRI)

共催

SPring-8利用推進協議会

プログラム
             
13:00〜
13:10
はじめに ― 趣旨説明 ―
渡辺 義夫(JASRI/SPring-8)
13:10〜
13:50
光電子分光法についての概論
木下 豊彦(JASRI / SPring-8)
物質に紫外線やX線を照射すると、光電効果により、内部の原子に束縛されていた電子が 光のエネルギーを受け取り、放出される。これらの光電子の運動エネルギー、放出角度分布、スピン偏極度などを 測定することで、物質の電子状態の情報を詳しく調べることができる。電子状態を理解することは物質の性質、 機能を理解することに他ならず、構造解析とともに重要な研究手段となっている。講演では、光電子分光法の原理、 実験手法の概要について紹介するほか、電子エネルギー以外の分解(角度、空間、スピン、時間)を組み合わせた 光電子分光に関しても触れ、引き続いて講演していただく講師の先生方のイントロダクションとなる話をする。
13:50〜
14:20
軟X線光電子分光の特徴と実験ステーションの紹介
室 隆桂之(JASRI / SPring-8)
SPring-8の軟X線ビームラインは、高輝度光源を生かした高エネルギー分解能が性能 上の大きな特徴である。この特性は、SPring-8の共用開始から10年を経てなお世界のトップレベルにあり、 高分解能軟X線を用いた光電子分光によって多くの成果が生まれている。本講演では軟X線光電子分光によって 得られる情報を、他の励起光エネルギーの異なる光電子分光法の場合と比較しながら説明する。 また、共用ビームラインであるBL25SUとBL27SUに設置されている光電子分光装置の概要をご説明し、 実際に装置をご利用いただく場合に必要となる準備、注意点等についてお話しする。         
14:20〜
14:50
硬X線光電子分光の紹介と分光技術
池永 英司(JASRI / SPring-8)
硬X線光電子分光は、“検出深さが大きい”という特徴をもち、バルク敏感な電子 状態を明確に観測できる実験手法である。我々は硬X線領域(6-10KeV程度)の励起エネルギーを適用し、 それに伴い高エネルギーの光電子を分析するアナライザー装置の性能向上に取り組んでいる。 本講演ではSPring-8の高輝度放射光を利用することにより実現した装置、特徴・性能を解説し、 最近の研究例を紹介する。また、今後の展望についても触れたい。         
14:50〜
15:10
【休憩】
15:10〜
15:40
軟X線角度分解光電子分光による機能性物質のバンド構造
横谷 尚睦(岡山大学)
角度分解光電子分光は固体物質の伝導特性を左右する価電子バンド構 造やフェルミ面を 直接的に観測できる実験手法である。固体内電子の運動量情 報まで得ることができる点が最大の特色である。 SPring-8で得られる高輝度・ 高分解能の光は、これまで難しいとされていた軟X線領域の光を使った角度分解光電子 分光測定を可能にした。講演では、角度分解光電子分光の原理と軟X 線を使った利点、その応用例として超伝導 ダイヤモンド薄膜のバンド構造観測 について解説する。         
15:40〜
16:10
軟X線光電子分光法によるゲートスタック構造の評価
野平 博司(武蔵工業大学)
ナノ時代の主役となると期待される超高性能・超低消費電力Nano-CMOSの実現には、 極薄S/D接合の形成や熱安定性の高い高誘電率膜/半導体界面の実現が不可欠である。それには、原子スケールの 分解能でS/D接合や高誘電率膜/半導体界面の組成および化学結合状態の深さ方向変化を測定して、その知見に 基づいて種々の問題点の起源を解明することが重要である。本講演では、高輝度・高エネルギー分解能・ エネルギー可変という放射光の特長を生かして我々が行ったシリコン酸窒化膜/Si界面およびシリコン窒化膜/Si界面の 評価、プラズマドープしたボロンの化学結合形態とその深さ方向分布の評価などの研究結果を紹介する。         
16:10〜
16:40
強電子相関物質の硬X線光電子分光
高田 恭孝(理化学研究所)
SPring-8において開発された硬X線光電子分光法は、真空紫外光や軟X線励起の光電子分光に 比べて検出深さ大きいことが特徴であり、新規機能性物質や半導体デバイスをはじめとして様々な物質系に 適用されている。強電子相関物質についても、金属−絶縁体転移や価数転移に関して非常に有用かつ決定的な 電子状態が明らかになっており、これらについて紹介させていただく。         
16:40〜
17:10
次世代ULSIのための硬X線光電子分光法による界面化学結合状態の分析
中塚 理(名古屋大学)
超々大規模集積回路(ULSI)の基本素子であるSi系MOS型トランジスタの高性能化に向けて、 近年、様々な新規材料と極微細構造の導入が検討されている。多様な新材料から構成されるナノスケールの多層構造に 埋もれた領域の化学結合状態、エネルギーバンド構造の非破壊・高精度な分析が要求される中で、放射光を用いた 硬X線光電子分光(HAXPES)法は、大きな光電子脱出深さおよび励起エネルギー、高いエネルギー分解能などの特長から 極めて強力な分析手法である。最新のゲートスタック構造に対するHAXPES法の応用に関して、我々の研究事例を中心に 紹介する。
17:10〜
17:15
閉会挨拶
永田 正之(JASRI / SPring-8) 
17:30〜
19:00
技術交流会


対象者

・高輝度放射光を利用した光電子分光技術に関心のある方
・高輝度放射光を利用した光電子分光において研究課題や問題を抱えておられる方
・SPring-8での光電子分光に関する解析実験を計画したい方

定員

60名程度
※申込者多数の場合は、締切日以前に募集を終了することがあります。

参加費

無料(ただし、技術交流会参加費:1,000円)

申込方法

※受付終了いたしました。

申込み締め切り

2009年2月27日(金)
※申込者多数の場合は、締切日以前に募集を終了することがあります。
※受付終了いたしました。

事務局
(財)高輝度光科学研究センター
研究調整部 研究業務課 垣口 伸二
Tel:0791-58-0949 Fax:0791-58-0988 
e-mail : workshops@spring8.or.jp