平成27年度 SPring-8 産業新分野支援課題・一般課題(産業分野)実施報告書(2015A)
目次

1. はじめに
2. 課題募集制度の概要
3. 成果公開の考え方
4. 実施状況
5. 産業利用分野の利用動向
6. 産業利用促進への課題
7. 報告書の採録対象
8. 報告書
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はじめに

 平成26年度(2014A期)より新たな領域指定型重点課題として、これまで放射光利用が少なかった産業分野のSPring-8利用の拡大を目指して産業新分野支援課題の募集を開始した。本報告書は2015A期の産業利用分野における課題実施状況の報告を目的として、2015A期に実施した一般課題(産業利用分野)と産業新分野支援課題のうちSPring-8利用研究成果集としての審査を行わなかった課題の報告書を収録したものである。

課題募集制度の概要
  1. 一般課題(産業利用分野)
     一般課題(産業利用分野)の課題とは、課題申請の際に産業利用分野(I)での課題審査を希望した成果非専有の一般課題(課題審査は課題審査委員会産業利用分科会が行う)である。これまでは一般課題(産業利用分野)への申請は、申請者の所属機関を問わずに認めていたが、2015A期からは実験責任者もしくは共同実験者に民間企業もしくは、それに準じる機関に所属する者が含まれていることを申請要件とした。民間企業に準ずる機関とは、民間企業からの委託による試験・研究・開発を事業に含んでいる機関と定義している。また、地方自治体が設置している公設置試験場や地方独立行政法人等(○○県工業技術センター)は、民間企業に準ずる機関から除外している。なお、民間企業に所属する者が産業利用分野以外の分野に申請した課題は一般課題(産業利用分野)としては扱わない。一般課題(産業利用分野)の募集は他分野の一般課題と同様に、年2回の課題募集期間において全ての共用ビームラインへの申請が可能である。一般課題(産業利用分野)に特徴的な制度は以下の6項目である。

    a) 産業利用ビームラインI(BL19B2)、II(BL14B2)、III(BL46XU)は半期ごとに前半を1期、後半を2期とした2回の課題募集を行う(年4回課題募集を実施)。1期と2期の両方で利用実験を行いたい場合は、継続的な研究内容の課題であってもその都度、新規課題として応募することが必要である。なお2013A期よりこれらのビームラインでは成果非専有の一般課題は、審査希望分野が産業利用分野である一般課題(産業利用分野)のみとした。これらのビームラインを指定した申請であるものの、審査希望分野が他分野の課題は申請者の希望にかかわらず産業利用分野で審査する。
    b) 新規利用拡大の観点から課題審査において利用経験を考慮する。
    c) 民間企業利用拡大の観点から課題審査において所属機関を考慮する。
    d) 課題実施後約2~4か月以内に所定の書式の産業利用課題実施報告書を提出する。なお、この報告書はSPring-8利用研究成果集として審査を受けることも可能である。
    e) 全採択課題に担当コーディネーターを配置する。
    f) 科学技術的妥当性に関する審査は
      (1)産業基盤技術としての重要性および発展性
      (2)社会的意義および社会経済への寄与度の観点を重視して実施する
      に重点をおいて実施する。

  2. 産業新分野支援課題
     「産業新分野支援課題」を領域指定型の重点研究課題として、平成25年9月24日に指定した。その狙いは以下のとおりである。
     これまでの産業利用促進の取り組みにより、一部の産業分野ではSPring-8の放射光利用が普及した一方、経済のグローバル化を反映して国内の産業構造も大きく変化し、新しい産業の創生をもたらすような研究開発が必要になっている。そこで、新産業分野の研究開発を促進するため、SPring-8で放射光利用に新規に取り組む産業分野の課題に重点的な支援を行う産業新分野支援課題を実施する。

    2-1) 募集の対象
     課題の目的に沿って、SPring-8での放射光利用実績の少ない産業分野の研究開発に関する課題を募集の対象とする。該当する産業分野の例として食品・食品加工、農林水産物、建設資材、金属加工、鉱物資源が挙げられるが、この限りではない。例示された分野に該当しない場合は、課題申請の際に放射光利用実績の少ない産業分野であることの説明が求められる。なお、一般課題(産業利用分野)のような実験責任者及び共同実験者の所属機関に関する要件は設定しない。

    2-2) 対象ビームライン、シフト数割合、及び募集
     産業利用ビームラインI(BL19B2)、II(BL14B2)、III(BL46XU)を対象に、ユーザー実験に供するビームタイムのうち20%以内(施設留保を含めたユーザータイムの16%以内)を配分する。
     募集は一般課題と同時期に半期2回行う。なお、1期募集において採択された通期課題の2期分のシフト数も含めた合計シフト数が半期を通じたビームタイムの上限に達した場合は2期に募集を行わない。

    2-3) 通期課題
     1期、2期の両方で利用実験を行いたい場合は、その都度新規課題としての応募が必要であるが、継続的・計画的な実施により一層の成果創出が期待される課題は、“通期課題”とし1期応募の折に2期分のシフト数も含めた申請を受付ける。なお、2期は通期課題の募集は行わない。

    2-4) 審査
     一般課題(産業利用分野)に先んじて課題審査委員会産業利用分科会が審査を行う。なお、産業新分野支援課題として不採択となった課題は、自動的に一般課題(産業利用分野)の課題として、他の一般課題と一緒に改めて審査される。産業新分野支援課題においては一般課題(産業利用分野)の観点に加えて研究対象がSPring-8での放射光利用の新規な産業分野に該当するかどうかも含めて審査する。

    2-5) 報告
     WEBより提出するビームタイム利用報告書、利用実験課題報告書に加えて課題実施後約2~3か月以内に所定の書式の産業新分野課題実施報告書を提出する。なお、この報告書はSPring-8利用研究成果集として審査を受けることも可能である。

成果公開の考え方

 成果の公開については、産業新分野支援課題、一般課題(産業利用分野)ともに他の成果非専有の一般課題と同様に学術誌上への論文掲載(博士論文も含む)もしくはSPring-8利用研究成果集への採録による成果公開が求められる。この産業利用課題実施報告書及び産業新分野支援課題実施報告書の提出は成果の公開とは認定されないが、これらの報告書は著者からの申し出によりSPring-8利用研究成果集としての審査を受けることが可能である。SPring-8利用研究成果集としての審査を受けない実施報告書は、JASRIコーディネーター等による校閲を経て課題実施期が終了して約6か月後に出版・公開されるが、それ以外はSPring-8利用研究成果集としての審査終了後に公開される。
 なお、平成27年度2015A期の一般課題(産業利用分野)及び産業新分野支援課題の実施報告は、平成28年9月に開催予定の「第13回SPring-8産業利用報告会」等で口頭及びポスター形式での報告を予定している。


実施状況

 以下に平成27年度2015A期の産業新分野支援課題、及び一般課題(産業利用分野)の応募・採択結果を表1、表2にまとめる。


  1. 応募・採択結果 産業新分野支援課題
    表1.応募時期及び研究機関別課題応募・採択結果
    募集時期 機関分類
    応募数
    採択数*
    採択率(%)
    第1回募集
    学官
    7
    5
    71.4
    産業界
    4
    4
    100.0
    合計
    11
    9
    81.8
    第2回募集
    学官
    4
    3
    75.0
    産業界
    1
    0
    0.0
    合計
    5
    3
    60.0
    総計
    16
    12
    75.0
    *産業新分野支援課題で不採択となり、一般課題として再審査され採択された課題は採択数から除外している。
     産業新分野支援課題の第1期の応募数は募集を開始した2014A第1期の4件から大幅に増加して11件となり、本課題に対する利用者の認知度の向上を示すものと考えられる。2014A第1期、2014B第1期ともに学官からの応募された課題は全て採択されていたが、今期は2課題が不採択となった。一方で、産業界が応募した4課題はすべてが採択され、制度開始以来、産業界の応募課題の採択率が学官応募課題の採択率をはじめて上回った。2015A第2期は2014A、2014B期よりも応募がやや少なく、産業界、学官それぞれ1課題が不採択となったが、いずれの課題も一般課題として採択された。2015A第1期、第2期ともに採択課題の半数がこれまで利用が少なかった食品分野の課題で、産業新分野支援課題の制度は産業分野の新規開拓に有効に機能していると考えられる。

  2. 応募・採択結果  一般課題(産業利用分野)
    表2.応募時期及び研究機関別一般課題応募・採択結果
    募集時期 機関分類
    応募数*
    採択数
    採択率(%)
    第1回募集
    学官
    43
    34
    79.1
    産業界
    29
    21
    72.4
    合計
    72
    55
    76.4
    第2回募集
    学官
    14
    7
    50.0
    産業界
    19
    11
    57.9
    合計
    33
    18
    54.5
    総計
    105
    73
    69.5
    *応募数には産業新分野支援課題で不採択となり、一般課題として再審査された課題(1期 産業界0課題、学官2課題、2期 産業界1課題, 学官1課題)を含む。また、採択後に12条課題に分類されるJASRI職員から申請された課題を応募数(1期 8課題、2期 4課題)、採択数(1期 8課題、2期 4課題)を除く。一般課題と同時に審査される萌芽的研究支援課題の応募数(1期 5課題、2期 6課題)、採択数(1期 5課題、2期 4課題)を除く。

     一般課題(産業利用分野)は応募数が105課題(12条課題を含めると117課題)で2014A期の応募数138課題(12条課題を含む)から15%程度減少した。特に2015A第1期における産業界からの応募の減少が大きく2014A期よりも10件(約15%)の減少に加えて、採択率が2014A第1期の約90%から約72%にまで低下したために採択課題数は21件と2014A第1期の60%にとどまった。2015A第2期の応募数は2014A第2期の約10%減の33件であったが、産業界の応募数は2014A第2期よりも若干増加して採択数も2014A第2期の7課題から11課題に増えたものの2015A期の産業界課題の全採択数は、2014A期の42課題よりも大幅に少ない32課題となった。後述のとおり、成果非専有課題から成果専有課題への移行が産業界からの応募課題数減少の一因と考えている。また、産業界課題の2015A第1期の採択率低下はBL27SUやBL46XUへの応募課題の採択率が低かったことを反映している。BL46XUはBL19B2、BL14B2と比較して測定自動化による高効率化が遅れていることに加えて、高輝度X線イメージングやマイクロビームX線回折等の課題を新たに受け入れるようにしたことが採択率の低下を招いた。
     一方、BL27SUの低採択率は産業界が軟X線利用への興味・関心が高まったことを示し、それ自身は歓迎すべきことであるがSPring-8での利用資源が限られていることから産業界による軟X線域の利用を進めるためには他の放射光施設との連携が必要になると考える。 一方、産業界の課題と同様に学官からの応募課題も減少しているが、前述のとおり2015A期から民間企業所属者を実験体制に含むことを一般課題(産業利用分野)への申請要件に追加したことが一因と考えている。ただし、一般課題(産業利用分野)の実験責任者に対して平成27年11月2日から27日までの期間に行ったアンケート(回答率60%)では、上記の申請要件追加に否定的な意見は全体の5%で大多数の利用者から理解を得られていることがわかった。

  3. SPring-8利用研究成果集としての審査
     前述のとおり2011B期より成果公開の扱いが変更になったため、実験責任者の希望に応じて重点産業利用報告書をSPring-8利用研究成果集として査読審査を受けて公開文書として扱うことも可能とした。産業新分野支援課題及び産業利用分野の一般課題も同様で、SPring-8利用研究成果集として審査を受ける公開文書とすることができる。平成28年1月15日の時点で実施報告書作成対象84課題のうち20課題がSPring-8利用研究成果集としての審査を希望している。公開は査読審査が終了し成果審査委員会での承認後となるため、これら20課題の報告書はここには採録されない。

産業利用分野の利用動向
    1)産業分野ごとの動向
     図1は、産業利用分科会で審査を経て採択された成果非専有課題実施件数の推移である。2014A期以降は産業新分野支援課題と一般課題(産業利用分野)の和、2012A期から2013B期までは重点産業化促進課題と一般課題(産業利用分野)の和、2011B期以前は重点産業利用課題と一般課題(産業利用分野)の和であるが、2014A期とほぼ同じ分布となった。敢えて違いを挙げるとすれば、エネルギー分野(EL)での学官課題と素材分野(MA)での産業界課題の減少であるが、有意な変化であるのか一時的なものなのか判断できない。

    図1. 産業利用分野における成果非専有課題実施件数


    2)民間企業の課題実施動向
     図2は共用ビームラインにおける民間企業の課題実施状況の推移を課題種ごとに示している。毎年A期はB期よりも実施課題数が少ない傾向があり、2015A期は2014A期の123課題とほぼ同じ116課題であった。その内訳は成果専有課題は2014A期と同じ72課題である一方、それ以外の課題は成果非専有の一般課題を中心に51課題から44課題と若干減少した。

    図2. 民間企業による共同利用研究実施課題の課題分野別推移


     図3は2015A期共同利用研究実施課題(共用ビームラインで実施した課題)を所属機関、専有/非専有の別でその割合を示している。2015A期は2014A期より供給ビームタイムが増えたことを反映して共用ビームラインでの全実施課題数は2014A期の624課題から2015A期は674課題に増加する一方、前述のとおり産業界の実施課題数は2014A期並みにとどまったことで、民間企業に所属する実験責任者の課題数の割合は17.2%となり、2014A期の19.7%より大幅に減少した。これは、産業界のSPring-8共用ビームライン利用需要の飽和を意味するようにも思えるが、一方でBL46XUやBL27SUなど特定のビームラインでの採択率が低いことから、産業界利用者ニーズと施設が提供している放射光利用技術との乖離の顕在化を示すものと考えている。また、利用申し込みを随時受付ている測定代行においては、ビームタイム配分ができないために申請を諦めてもらう状況も発生していることから、現行の利用制度が産業界利用者のニーズの変化に対応できていないことの現れと思われる。

    図3.2015A期 共同利用研究実施課題における民間企業の実験責任者の割合


    3)民間企業の共用ビームライン利用状況
     2015A期におけるビームラインごとの民間企業による利用件数を図4(a)に示す。一般課題(産業利用分野)及び成果専有課題は、産業利用ビームラインI、II、IIIでの実施が他のビームラインよりも著しく多いのはこれまでと同様である。また、産業利用I、IIビームラインにおいて測定代行を含む成果専有課題が一般課題(産業利用分野)及び産業新分野支援課題などの審査課題よりも実施件数が多くなるのもここ数年の傾向であるが、XAFS測定代行を実施しているBL14B2での測定代行の実施数が2014A期並みの16件で2013A期よりも大幅に減少したままである。更に、BL19Bの成果専有課題は2014A期よりも増加しているものの一般課題(産業利用分野)の実施課題が大きく減少した。これらは、前述のあいちシンクロトロン光研究センターの稼働の影響と考えている。
     図4(b)は2008A期以降の民間企業による産業利用ビームラインI、II、IIIの利用割合の推移であり、産業界が利用するビームラインはこれら3本の産業利用ビームラインに集約されつつあることが読み取れる。この傾向は納得できるものであるが、これらのビームラインで実施できる放射光利用技術は限られている上、BL46XUは低採択率がつづいていることから必ずしも全面的に歓迎できるものではない。

    図4(a).2015A期 利用技術分野別(ビームライン別)民間企業利用件数
 

図4(b).民間企業による産業利用ビームラインI、II、IIIの利用割合の推移


産業利用促進への課題

 5.産業利用分野の利用動向でも記したとおり、民間企業の実施課題の成果専有へ移行と3本の産業利用ビームラインへの集約は、これまでに産業利用ビームラインで行ってきた機器整備や利用制度設計が適切に行われたことを示すものと考えられる。しかしながら、2013A期以降は供給ビームタイムに多少の変動があってもA期に民間企業が共用ビームラインで実施する課題数が120課題程度とほぼ一定であるにもかかわらず、BL46XUやBL27SUでは多数の不採択課題が発生するとともに、ビームタイムが確保できず測定代行に応じられない事例がBL19B2を中心に複数発生している。これらは、現行の制度や装置・技術の整備が産業界利用者の需要への対応が不十分であることを示している。
 測定代行の需要に応えるためには、測定代行を対象としたビームタイムの先行的確保などの利用制度見直しの検討が必要と考えられる。産業利用ビームラインで唯一の挿入光源ビームラインのBL46XUで発生している多数の不採択課題へは、測定の自動化・効率化の推進だけでは対応できないと思われる。最近、BL46XUは従来から行われているHAXPESや多軸回折装置を用いた測定に加えてマイクロビーム回折やX線イメージングなど多様な実験が行われ、幅広い産業分野で利用需要が高まっていることから、他の挿入光源ビームラインの利用等によって供給ビームタイムを増やさない限り解決が難しいと考えている。BL27SUの低採択率の原因も供給ビームタイムの不足が原因であるが、SPring-8内での解決は困難である。軟X線域の利用実験については他の放射光施設との連携を進めることが有効と考える。

 平成28年1月15日の時点で課題のうち20課題が利用研究成果集としての審査を希望している。これ以外の64課題の産業新分野支援課題実施報告書と産業利用課題実施報告書を採録している。また、追加掲載として、2012B期1課題、2013A期1課題、2014B期3課題も掲載している。また、SPring-8利用研究成果集として新たに採択、公開された課題も附録としてSPring-8利用研究成果集より転載して採録している。

 平成27年度SPring-8産業新分野支援課題・一般課題(産業分野)実施報告書(2015A)
2015A1654
赤外顕微マッピング法を用いた人種間別毛髪内ダメージの解析 渡邉 紘介 株式会社ミルボン 中央研究所
2015A1655
自動車部品用ベアリングボールの内部ひずみの非破壊測定 宮川  進 株式会社デンソー
2015A1657
鉄鋼に生成する酸化物スケールと鋼に発生する熱応力の推定 佐伯  功 室蘭工業大学大学院
2015A1662
非界面活性剤系洗浄剤のセシウム除去メカニズムの解明 徳田 陽明 京都大学
2015A1663
埋もれたゴム-真鍮界面での硫黄拡散と接着層形成過程のその場・リアルタイム観察 小澤 健一 東京工業大学
2015A1664
回折X線の幅広がりに着目したガスタービン動翼用Ni基超合金の損傷評価 向井 康博 関西電力株式会社 技術研究所
2015A1666
超多孔性炭素に原子レベルで高分散したニッケル周囲の局所構造の解明 丸山  純 大阪市立工業研究所
2015A1667
海水・汽水の影響下にある汚染土壌からの重金属類の溶出と不溶化による対策 橋本 洋平 東京農工大学
2015A1668
放射光X線ラミノグラフィによる転動疲労き裂発生および進展挙動のその場観察-異なる配向形態観察の試行 牧野 泰三 新日鐵住金株式会社 技術開発本部鉄鋼研究所
2015A1669
酸化物粒子分散強化(ODS)鋼のナノ酸化物粒子におけるナノ酸化物粒子析出・成長モデルの構築 大野 直子 北海道大学
2015A1670
熱電変換デバイス用酸化物材料の価数評価 桐原 明宏 NEC スマートエネルギー研究所
2015A1671
リチウムイオン実電池の充電中のその場X線回折計測 平野 辰巳 株式会社日立製作所 研究開発グループ
2015A1674
新規酸化物イオン伝導体の放射光X線粉末回折データに基づく結晶構造解析 藤井 孝太郎 東京工業大学大学院理工学研究科
2015A1675
In-situ Real-time Observations of Reactions between Different Lead-free Solder Pastes and Surface Finish Substrates 野北 和宏 The University of Queensland
2015A1679
白色X線マイクロビームとエネルギー分散型X線回折による金属材料内局所応力測定手法(EXDM)を用いた純金属多結晶材料内での局所応力分布の測定 宮澤 知孝 東京工業大学
2015A1681
HAXPESによるPt触媒と水和物の相互作用の解明 崔  藝涛 東京大学
2015A1683
光前駆体法により塗布成膜した有機光電変換薄膜の2D-GIXD測定 鈴木 充朗 奈良先端科学技術大学院大学
2015A1684
熱処理型傾斜機能性構造材料設計のための傾斜組成条件での弱い異方性組織の分布定量化の検討 松本 克史 株式会社神戸製鋼所
2015A1685
高分解能微小角入射X線回折によるC60/ペンタセン単結晶ヘテロエピタキシャル被覆層の結晶性解析 中山 泰生 東京理科大学
2015A1686
硬X線光電子分光によるリチウム空気2次電池における電極被膜の解析 今井 英人 株式会社日産アーク
2015A1688
時間分解XRDによるリチウム空気2次電池の反応解析 今井 英人 株式会社日産アーク
2015A1689
有機鉛ペロブスカイト薄膜形成過程のin-situ解析 宮寺 哲彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所
2015A1691
X線吸収微細構造のオペランド測定によるPt触媒と水和物の相互作用の解明 原田 慈久 東京大学
2015A1693
カーボン担持PtRhナノ粒子合成におけるDL酒石酸の添加効果 中川  貴 大阪大学
2015A1696
ポリジメチルシロキサン側鎖を有する有機半導体ポリマーの薄膜中での構造解析 尾坂  格 国立研究開発法人理化学研究所
2015A1697
XAFSを用いたLaZrO溶液及びゲルの局所構造解析 李  金望 北陸先端科学技術大学院大学
2015A1698
イオン液体電解質におけるナトリウムイオン電池用炭素負極の表面被膜分析 駒場 慎一 東京理科大学
2015A1699
加工に伴う電磁鋼板の歪み分布測定 土井 智史 株式会社デンソー
2015A1702
気相in-situ XAFS測定を用いた含浸法による0価金ナノ粒子の生成過程の解明 大橋 弘範 福島大学
2015A1704
HAXPESでの非曝露深さ分解測定による電気自動車用Liイオン電池の実走行模擬条件における劣化機構解析 今村 大地 一般財団法人日本自動車研究所
2015A1708
フッ化硫化物を母体とする希土類蛍光体の電荷移動状態の調査と照明用蛍光体への応用 石垣  雅 鳥取大学
2015A1712
実機肉厚寸法の溶接部におけるクリープボイドの成長・合体挙動の評価 鶴田 秀樹 株式会社IHI
2015A1716
X線吸収微細構造測定による低温成長Eu添加GaNのEuイオン価数評価 小泉  淳 大阪大学
2015A1717
二酸化炭素を還元するメソポーラス有機シリカ固定化金属錯体のXAFS構造解析 前川 佳史 株式会社豊田中央研究所
2015A1718
バイポーラ積層型電気二重層キャパシタを実現するポリマーブラシ修飾シリカナノ粒子/イオン液体複合固体電解質膜の秩序構造と充放電にともなう構造変化の極小角X線散乱法による解析 石毛 亮平 東京工業大学
2015A1719
水素添加反応下での担持金属触媒のin situ XAFS評価 国須 正洋 株式会社東レリサーチセンター
2015A1722
バイオマス変換に高活性を示すバイメタル金属ナノ粒子固定化触媒のXAFS法による局所構造解析 金田 清臣 大阪大学太陽エネルギー化学研究センター
2015A1723
加圧水型軽水炉一次冷却水模擬環境下でのオーステナイト系合金・鋼表面における酸化被膜形成による界面近傍残留応力の変化 米澤 利夫 東北大学未来科学技術共同研究センター
2015A1727
Fe-Cr-Al合金上への初期酸化クロミア皮膜の形成におよぼす合金中のAl濃度の影響 林  重成 東京工業大学
2015A1728
鉄錯体を固定化したメソポーラス有機シリカの触媒機能解析 原  賢二 東京工科大学
2015A1847
優れた強度・延性バランスを持つ0.1C-5Mnマルテンサイト鋼の加工硬化挙動のIn-situ解析 鳥塚 史郎 兵庫県立大学
2015A1848
酵素反応によるグルカンデンドリマーの形成過程の追跡 湯口 宜明 大阪電気通信大学
2015A1849
回折コントラストトモグラフィを用いた疲労き裂発生過程の結晶ミスオリエンテーションの観察 中井 善一 神戸大学大学院
2015A1850
ケイ素鋼板に替わる超低損失ナノ結晶軟磁性材料Fe85.2Si1B9P4Cu0.8(NANOMET®)の磁気特性最適化のためのナノ結晶形成プロセスの解明 松浦  真 東北大学金属材料研究所超低損失ナノ結晶軟磁性材料研究開発センター
2015A1851
乳のレンネット凝固過程およびチーズの物性発現におけるカゼインミセルネットワークの近赤外分光分析による評価のためのミセル構造解析の基礎的研究 天羽 由知 森永乳業株式会社
2015A1852
X線CTによるセファデックスゲル・ビーズおよび冷凍パスタ中に形成される氷晶の形状解析 村勢 則郎 東京電機大学
2015A1853
自動車メタリック塗装のイメージング観察(3) 谷口 昌司 ダイハツ工業株式会社
2015A1855
アパタイト様組成物による水素発生機構の解明 久保田 昌治 株式会社ウォーターデザイン研究所
2015A1856
エチレン除去触媒の産業化を指向した構造機能解析 原  賢二 東京工科大学
2015A1857
マイクロビームX線回折法によるW/Oエマルションの油脂粗大結晶構造の解明 上野  聡 広島大学大学院生物圏科学研究科
2015A1952
半導体ポリマー薄膜の配向状態解析 尾坂  格 国立研究開発法人理化学研究所
2015A1956
有機分子性結晶の熱処理により生成した構造規則性炭素質触媒材料の精密構造解析 丸山  純 大阪市立工業研究所
2015A1960
ニッケル水素電池用水素吸蔵合金の水素吸蔵放出後の結晶構造解析 土井 修一 株式会社富士通研究所
2015A1962
In-situ XAFS測定によるカーボン内包型オリビン系リン酸鉄リチウムナノ粒子の高速充放電特性解明 直井 勝彦 東京農工大学
2015A1966
硬X線光電子分光による酸化物表面コートしたFe及びNi固溶Li2MnO3正極の表面状態解析 弓削 亮太 日本電気株式会社 スマートエネルギー研究所
2015A1971
MOCVD法でGe基板上に作製したGeSnエピタキシャル膜の格子定数の精密評価 小椋 厚志 明治大学
2015A1973
放射光X線ラミノグラフィによる転動疲労き裂発生および進展挙動のその場観察-異なる配向形態観察 牧野 泰三 新日鐵住金株式会社 技術開発本部鉄鋼研究所
2015A1974
硬X線光電子分光によるグラフェン/オーミック金属界面の化学結合状態解析 舘野 泰範 住友電気工業株式会社
2015A1975
安全で高性能なリチウムイオン電池の実現に向けた菱面体晶のNASICON型リン酸化合物における遷移金属元素の化学状態と局所構造の解析 藤枝  俊 東北大学
2015A1976
X線回折によるL10型FeNi規則相を含む合金薄膜の構造評価 水口 将輝 東北大学金属材料研究所
2015A1989
人工ピンニングセンターを導入した高温超伝導体薄膜の内部ひずみ評価に基づく、高磁場中超伝導特性・高耐ひずみ線材の開発 吉田  隆 名古屋大学
2015A1990
小麦タンパク質水和体の超小角X線散乱法による集合構造解析 佐藤 信浩 京都大学原子炉実験所
2015A1992
パーライト-ゼオライトに吸着したCd,Cuの局所構造解析による吸着・イオン交換反応場の解析 笠井  誠 三井金属鉱業株式会社
2015A1993
エチレン除去触媒の産業化を指向した触媒機構解明 原  賢二 東京工科大学
2012B1474
デキストリン脂肪酸エステルをゲル化剤として用いた化粧品の開発 坂  貞德 日本メナード化粧品株式会社 総合研究所
2013A1714
S K-edge XAFS法における試料最適化の検討 金子 房恵 住友ゴム工業株式会社
2014B1573
Cu合金中に分散したひずみ場を伴う微細析出粒子の小角散乱によるサイズ及び形状評価 宮澤 知孝 東京工業大学
2014B1880
超微細粒組織を持つCu合金中に分散した微細析出粒子の焼鈍中その場小角散乱測定 宮澤 知孝 東京工業大学
2014B1889
金属材料の製造プロセス分析のためのX線回折測定と極小角X線散乱測定を複合した同時その場測定技術の開発 宮澤 知孝 東京工業大学

SPring-8利用研究成果集 Vol 3 No.2 (
http://user.spring8.or.jp/resrep/?cat=19
2011B1285
窒化処理を行った酸化膜/4H-SiC界面の軟X線光電子分光による解析 石山  修 技術研究組合 次世代パワーエレクトロニクス研究開発機構
2011B1286
ヒト毛髪内部浸透成分解析、及び、ヘアトリートメント効果評価 稲益 悟志 クラシエホームプロダクツ株式会社
2011B1764
in situ XAFSによるペロブスカイト酸化物中の複数遷移金属の酸素熱力学パラメータの考察 伊藤 孝憲 AGCセイミケミカル株式会社 品質保証部
2011B1768
デジタルカメラを用いたX線トポグラフィによるシリコン単結晶中の転位像の強調 梶原 堅太郎 公益財団法人高輝度光科学研究センター
2011B1773
Sn添加フェライト系ステンレス鋼における不働態皮膜の化学状態解析 秦野 正治 新日鐵住金ステンレス株式会社
2011B1781
LED用蛍光体材料の温度消光メカニズム解明 上田 恭太 株式会社三菱化学科学技術研究センター
2011B1788
HAXPESによる有機無機ハイブリッドLEDの劣化解析 森井 克行 株式会社日本触媒
2011B1808
くせ毛の矯正を目的とする低分子化S-カルボキシメチル‐3‐アラニルジスルフィドケラチンの毛髪への応用 吉田 正人 株式会社ミルボン
2011B1820
白色マイクロビーム波長分散型X線回折を用いた応力ミクロ分布測定による2相鋼材の応力腐食割れメカニズムの検討 土井 教史 住友金属工業株式会社
2011B1834
金属触媒複合化したペロブスカイト酸素イオン伝導材料のin-situ XAFS解析 高橋 洋祐 株式会社ノリタケカンパニーリミテド
2011B1841
水和物結晶における疑似多形間転移観測のための高温高湿度下in-situ粉末X線回折測定技術の検証 菅原 洋子 北里大学理学部
2011B1842
液中プラズマ処理により合成した銀ナノ粒子の構造評価 行木 啓記 あいち産業科学技術総合センター
2011B1845
小角X線散乱法によるコアシェル型ナノ粒子含有高分子複合材料のナノ構造評価 八木 康洋 日立化成工業株式会社
2011B1858
シリカガラス中の微量フッ素の化学状態解析 飯原 順次 住友電気工業株式会社
2011B1958
コアシェル構造を有するセリアジルコニア自動車排ガス用助触媒のIn-situ XAFS解析 高橋 洋祐 株式会社ノリタケカンパニーリミテド
2011B1960
固体高分子形燃料電池(PEFC)用コアシェル触媒のin-situ XAFS解析 伊藤 雅章 株式会社ノリタケカンパニーリミテド
2011B1981
水質分析用ボルタンメトリ法装置に用いる作用電極の表面状態解明-転換電子収量XAFS等の適用可能性 藤川 陽子 京都大学
201B1983
結晶3Dマッピング法を用いた多結晶金属材料の塑性ひずみの測定 中井 善一 神戸大学大学院工学研究科
2011B1984
次世代CMOSグラフェンチャネル実現に向けた硬X線光電子分光によるゲート絶縁膜の最適化 佐藤 信太郎 独立行政法人産業技術総合研究所 グリーン・ナノエレクトロニクスセンター
2012A1108
マイクロビームXAFSによる窒化ガリウム系電子デバイスの界面状態解析 舘野 泰範 住友電気工業株式会社
2012A1188
白色マイクロビーム波長分散型X線回折による応力ミクロ分布測定による2相鋼材の応力腐食割れメカニズムの検討(2) 土井 教史 住友金属工業株式会社
2012A1193
X線CTによる海水系セメント材料のカルシウム溶脱劣化の測定 人見  尚 株式会社大林組
2012A1302
鋳鉄の凝固過程における黒鉛晶出過程の高分解能観察 杉山  明 大阪産業大学
2012A1596
高強度鋼の転動疲労き裂進展挙動のその場観察 牧野 泰三 新日鐵住金株式会社
2012A1744
燃料電池用炭化水素系プロトン伝導膜の開発 冨永 哲雄 JSR 株式会社
2012A1750
X線回折による低アルカリ性セメントの初期水和過程の解析 人見  尚 株式会社大林組
2012B1365
マイクロビームX線小角散乱を用いた異なる形状の日本人毛髪の内部構造解析 柴野 輝美 タカラベルモント株式会社
2012B1490
マイクロ接合部の疲労損傷評価のための非破壊ひずみ測定の可能性試験 岡本 佳之 コーセル株式会社
2012B1721
メカノケミカル複合化した固体酸化物形燃料電池用酸素イオン伝導体のIn-situ XAFS解析 高橋 洋祐 株式会社ノリタケカンパニーリミテド
2012B1729
貴金属を使用しない燃料電池カソード触媒のXAFSによるその場測定 朝澤 浩一郎 ダイハツ工業株式会社
2012B1733
アーク溶接部における溶接端部近傍の残留応力分布測定 木村  良 株式会社本田技術研究所 四輪 R&D センター
2012B1740
摩擦攪拌接合継手における疲労き裂進展挙動のラミノグラフィによる非破壊観察 佐野 雄二 株式会社東芝
2012B1760
μ-XAFSによる複合酸化物触媒の局所構造解析 濱松  浩 住友化学株式会社
2012B1851
食感を構築するゼラチンゲル構造の解明と糖質添加による構造変化の把握 奥本 泰一 カンロ株式会社
2012B1852
タイヤで用いられるゴム/ブラス接着層中のCu 、Znの化学状態解析 鹿久保 隆志 横浜ゴム株式会社
2012B1872
連続式超臨界合成により得られたNi粒子の局所構造解析 澤谷 清一 株式会社アイテック
2012B1876
極小角・小角X線散乱法を用いた熱可塑性エラストマーのミクロ相分離構造の解析 高柳 篤史 日本ゼオン株式会社
2012B1901
炭酸ジルコニウムアンモニウムのEXAFS解析(V) 高崎 史進 第一稀元素化学工業株式会社
2013A1630
X線回折によるL10型FeNiナノ粒子の結晶構造解析 林   靖 株式会社デンソー
2013A1779
ガラスに分散したYAG:Ce蛍光体中のCeのXAFS解析 松本 修治 旭硝子株式会社 中央研究所
2013A1801
XAFSを用いたV2O5-MxOy系ガラスの構造解析 青柳 拓也 株式会社日立製作所日立研究所
2013B1574
金属ナノ粒子塗布膜のXAFS観察 福谷(野田)実希 住友ベークライト株式会社
2013B1576
タイヤで使用されるゴム-ブラス接着層中の金属の化学結合解析 鹿久保 隆志 横浜ゴム株式会社
2013B1822
蛍光XAFSによるフェライト磁石中に存在する微量不純物元素の化学形態の解明 藤井 達生 岡山大学
2014A1512
高アルカリ性溶液に接する岩の非破壊CT-XRD連成法による変化の分析 人見  尚 株式会社大林組
2014A1514
超微細顔料分散インク中の顔料界面の分散剤分子吸着状態の評価 篠﨑 俊介 株式会社DNPファインケミカル
2014A1533
X線反射率測定法を用いたシリコン酸化膜の評価 小椋 厚志 明治大学
2014A1542
14 keV励起硬X線光電子分光法を用いたナトリウム電池用電極の表面被膜および内部構造の解析 駒場 慎一 東京理科大学
2014A1550
高温酸化により(Fe, Ni)-Cr-Al合金上に形成するクロミアからアルミナ皮膜への初期遷移挙動におよぼす合金中のCrおよびAlの影響 林  重成 東京工業大学
2014A1561
表面修飾による薄膜の構造変化の解析 権藤  聡 住ベリサーチ株式会社
2014A1594
X線吸収微細構造測定による表面エッチング処理を施したEu, O共添加GaNのEuイオン周辺局所構造の評価 藤原 康文 大阪大学
2014A1767
半導体パッケージ用封止樹脂の熱履歴と残留応力の解析 若林 みどり 住友ベークライト株式会社
2014B1572
X線回折による溶融塩電解FeNi粒子の構造評価(II) 林   靖 株式会社デンソー
2014B1589
小角X線散乱による末端機能化ゴム材料を用いた配合物中でのシリカの三次元階層構造の解析 曽根 卓男 JSR株式会社
2014B1593
XAFSによるカルシウムシリケート水和物の硬化プロセスの研究(2) 松井 久仁雄 旭化成建材株式会社
2014B1884
FeNi合金の結晶構造の合成手法依存性 林   靖 株式会社デンソー


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